ルノーの高性能ブランド「アルピーヌ」
A310テストカーのスパイショット
軽量化によりパフォーマンスを極限まで極める

ルノーの子会社で、高性能カーブランドとして知られるアルピーヌ(Alpine)が次世代のパフォーマンスモデル開発を加速させている。最近、海外の自動車専門スパイショットチームがテスト走行中のA310プロトタイプを捉え、業界の注目を集めている。
アルピーヌはA310を通じて、電動化が進む時代においてもスポーツカーの本質を貫く計画だ。A390クロスオーバーが同ブランドの電動化戦略をけん引するモデルとして期待される中、A310もその延長線上で強力なパフォーマンスを発揮することが予想されている。

シャープなプロポーション
量産モデルへ採用される可能性は低い
最近公開されたスパイショットで目を引くのはリアウィングを備えたスポーツカーの姿だ。車両は低く流れるような車体を持ち、テスト車両でありながら圧倒的な存在感を放っている。しかし、このデザインがそのまま量産モデルに反映される可能性は低いと見られている。
これは、テストミュールの特性上、様々な部品を活用した可変的な形状を取ることが多いためだ。実際に、今回目撃された車両はリジェ(Ligier)JS2 Rレーシングカーをベースにしたプロトタイプとされており、量産モデルのデザインとは異なる可能性が高い。
フロントデザインはまだ明確には確認されていないが、アルピーヌの最新デザイン言語が反映される可能性が高い。特に最近公開されたA390クロスオーバーに見られるワイドなライトバーや空力性能を重視したシルエットがA310にも採用されると考えられる。アルピーヌは従来のクラシックなデザイン要素を現代的に再解釈し、ブランドのアイデンティティを継承している。


アルピーヌの新プラットフォームを採用
軽量化にフォーカス
A310はアルピーヌの新たなパフォーマンスEV向けプラットフォーム「APP(Alpine Performance Platform)」の拡張版をベースに開発が進められている。このプラットフォームは既存のA110の特性を引き継ぎつつ、電動化時代に合わせて進化した設計を採用している点が特徴だ。EVでありながらも軽量化を重視し、スポーツカー本来のドライビングフィールを維持することが最大の目標となっている。アルピーヌはこれを実現するために、先進素材を積極的に活用し、シャシー設計を最適化することで軽量ボディを実現する計画だ。
パワートレインの構成もA390と類似すると見られている。基本的にはフロントに1基、リアに2基のモーターを搭載する「トライモーター(Tri-Motor)」システムを採用し、強力な加速性能と優れたコーナリング性能を実現する見込みだ。さらに、アクティブ・トルク・ベクタリングシステムを採用することで、より精密なハンドリングが期待される。
同ブランドの伝統的な軽量化哲学と最新のEV技術が融合することで、A310は従来のスポーツカーブランドと本格的に競争するモデルになると業界では予想されている。とはいえ、現時点ではまだ多くの情報が明らかにされていない。これまでに公開された情報やスパイショットを基にすると、A310はアルピーヌのアイデンティティを強化しつつ、新たな市場を開拓する重要なモデルとなるだろう。今後発表される公式画像や追加情報が、自動車ファンの期待をさらに高めている。