日産・セントラのフルモデルチェンジ予想図
一新されたシルエットに高くなった車高
日産の救世主となるか

かつて日本車技術の象徴と称された日産だが、近年は明らかな下り坂を辿っている。電気自動車(EV)への対応が遅れた影響で、グローバル市場でのシェアは縮小し、さらに財務面での厳しい状況も続いている。このような中、日産が自社のコンパクトセダン「セントラ(Sentra)」の大規模な刷新を発表し、再起への期待が集まっている。
セントラは日産のグローバルラインナップにおいて安定した販売実績を誇る代表的なモデルで、伝統的なセダン需要が低迷する中でも、実用性と価格競争力を武器に生き残ってきた。今回、セントラはよりスポーティで洗練されたデザインに生まれ変わり、日産の復活を象徴する存在になる可能性が高い。

大きく変わったシルエット
日産の反撃を告げる
フルモデルチェンジを迎える2027年型セントラはフロントからリアに至るまで全面的に刷新される予定だ。薄くシャープなヘッドランプ、縦型グリル、そしてデイタイムランニングライトが強烈な第一印象を与える。また、くさび形のサイドシルエットは空力性能を意識した近未来的なデザインが特徴的だ。リアにはワイドに横一線でつながる水平型LEDテールランプが採用され、全体的に高級感が強調されている。
ネット上でもこのデザイン変更に対する反応は好意的だ。「ついに日産が本気を出した」「他国のCセグメントセダンよりずっとスポーティ」といった声が寄せられ、デザインの完成度に対する期待が高まっている。特に、従来の保守的なイメージを脱し、若々しくスタイリッシュな雰囲気が際立った点が好評を呼んでいる。
ボディサイズも従来モデルより大きくなり、ムラーノからインスピレーションを受けたボディラインやクローム仕上げのウィンドウトリム、低く構えたルーフラインがダイナミックな印象を与えている。北米市場で競合する現代自動車・エラントラ、ホンダ・シビック、トヨタ・カローラなどとの競争を意識した差別化が進んでいる。

日産復活のカギ
グローバル展開は成功するか
公開された情報によると、新型セントラはインテリアにも大幅な改良が施される予定だ。12.3インチのデジタルクラスターとインフォテインメントディスプレイが横並びに配置され、2スポークのステアリングホイールやタッチ操作を前提としたインターフェースが未来的な印象を与えている。さらに、プレミアム素材の採用や広々とした室内空間が確保され、商品力が大きく向上すると予想されている。
パワートレインについては、ベースグレードに2.0Lの自然吸気ガソリンエンジンとCVTの組み合わせが採用され、上位モデルにはローグ(Rogue)にも搭載されている1.5Lターボエンジンの導入が有力視されている。加えて、日産独自のe-Powerハイブリッドシステムが追加されることで、電気自動車に不安を抱える消費者層にとって魅力的な選択肢となる可能性がある。
今回のセントラの刷新が、日産復活の転機となるかという期待は依然として高い。すでに北米市場では2万2,730ドル(約332万円)で発売されており、現代自動車・エラントラ(2万3,320ドル、約341万円)よりも安価であり、コストパフォーマンスにおいても好評を得ている。今後、ハイブリッドモデルが加われば競争力はさらに高まり、セントラは再び日産の「救世主」となり得るだろう。自動車業界の注目が集まっている。