トヨタ・クラウン70周年
オープンカーを初公開
高級感とスポーティさを両立
トヨタは、16代目となるクラウンの発売70周年を記念し、7日、クラウンのオープンカープロトタイプを初公開した。クラウンは1955年に日本初の国産高級乗用車として誕生し、70年の歴史を受け継いできた象徴的なモデルだ。現行の16代目クラウンは、従来の枠にとらわれない新世代クラウンを目指し、多様なニーズに応えるべく開発された。
今回公開されたクラウンオープンカーのプロトタイプは、クラウン本来のデザインと個性を保持しながら、入念な検討を重ねて開発されたという。また同日、特別カラーと装備を施したクラウン特別仕様車も披露された。この2台の詳細を紹介しよう。
ルーフと側面ピラーを一部取り外し
リアガラスを廃止
クラウンオープンカーは、製作工程でルーフを取り除くための車体調整を実施。クラウン本来の特徴を残しつつ、オープンカーならではの魅力を引き出すための工夫が施された。オープンカーの特徴を際立たせるため、側面ピラーも一部を除去。ドアはフレームレス化により、洗練された印象に仕上がっている。
リア部分にはブラックのモールディングを追加し、デザイン性を高めると同時にリアガラスを撤去。開放感が増し、視界も広がった。ガラスの代わりに専用設計のカスタムパーツを装着し、テールゲートと一体感のあるデザインを実現した。
広々とした室内空間を継承
5人乗りを確保
オープンカーへの変更後も、従来のクラウンの室内空間は維持された。これにより、十分な荷物スペースも確保。内装も既存のデザインを踏襲しており、クリームカラーのレザーがブロンズとブラックの外装と調和し、クラウンならではの高級感を表現している。
室内は5人乗りを確保し、ファミリーでのドライブも楽しめる仕様だ。スポーティな外観により、新たな魅力を演出している。トヨタは以前、トヨタタイムズの公式動画でクラウンオープンカーを紹介したことがある。しかし、実車の公開は今回が初となり、再び注目を集めている。なお、このモデルは市販化の予定はなく、今回のようなイベントでの展示用として活用される見込みだ。
クラウン特別仕様車も同時披露
2025年春の発売へ
クラウン専門店での販売が予定される特別仕様車も同時に公開された。細部までこだわり抜き、従来のクラウン以上の存在感を放つこの特別仕様車は、マットメタリックカラーと特別装備を採用。燃料電池車(FCEV)とハイブリッド車(HEV)の2種類のパワートレインを設定する。
内装も色合いと質感にこだわり、センターコンソールとドアアームレストにブラックカラーを採用。ブラックの木目調加飾とともに、ステアリングとシフトノブにはレザーを使用し、室内の高級感を演出している。今回公開された特別仕様車のクラウンプロトタイプは、全国のクラウン専門店「THE CROWN」で開催される展示会で一般公開される。3月まで各店舗のスケジュールに沿って展示され、クラウン特別仕様車は2025年春の発売を予定していることが明らかになった。