マスタングのステアリングホイール欠陥
同じ理由で2度目のリコール
ソフトウェア更新で解決へ

フォードのマスタングが相次ぐ欠陥で注目を集めている。優れたパフォーマンスと出力、マッスルカーならではの力強さを感じさせるデザイン、高性能を兼ね備えたマスタングはその攻撃的な外観で多くの男性に憧れを抱かせてきた。このようなイメージを築いてきたマスタングが今回のリコール問題で批判を浴びている。
このリコールがフォードにとって特に大きな不名誉となる理由はすでに一度リコールした問題が再発したためだ。マスタングのステアリングホイール制御モジュールソフトウェアに関する欠陥が再び明らかになった。この問題について詳しく見ていこう。


同じ問題で2度目のリコール
フォードの屈辱
フォードは昨年、3万735台のマスタングを対象にリコールを実施した。その理由は前述の通り、ステアリングホイール制御モジュールソフトウェアの欠陥だ。この欠陥を持つ車両ではステアリングホイールのギアが適切に調整されず、運転者がハンドル操作を行う際にステアリングホイールが前後に振動し、操舵に支障をきたす問題が発生していた。
これに対し、フォードはソフトウェアの更新を実施した。しかし、基本的なステアリングホイールトルクセンサーが故障している、または欠陥がある一部の車両では、更新されたソフトウェアが走行中の制御力喪失や衝突を引き起こす危険性が報告された。


ソフトウェア更新で
簡単に解決可能
フォードはステアリングホイールのソフトウェア欠陥による事故は現時点で報告されていないと述べている。また、問題が発生した車両には適切なソフトウェアを更新することで解決できるとしており、追加の部品交換などは必要なく、ソフトウェアの更新だけで問題が解消される見込みだ。
そのため、消費者に大きな不便を強いることはないと予想される。しかし、フォードにとっては後味の悪い状況だ。同じ問題で2度もリコールを実施せざるを得なかったことで、ブランドの信頼性に影響が出ることは避けられないだろう。


品質管理能力についた疑問符
汚名を返上できるか
フォードがリコールを発表したこと自体は驚くべきことではない。フォードは長年、リコールの多さで悪名高かった。しかし、同じ問題で複数回リコールを実施する事はブランドの品質管理能力に対する疑問を招くことになる。
マスタングは長年、アメリカンマッスルカーの代名詞として知られてきたが、今回の事態により安全性への不安が高まっている。フォードはこの問題を完全に解決し、ブランドの信頼を回復できるだろうか。今後の展開に注目が集まる。