フォード、サスペンション腐食問題でリコール
対象車種はブロンコ15万台
後輪が揺れる場合は即座に点検が必要

オフロード車は男心をくすぐる。過酷な地形をものともせず走り抜ける頑丈な車を見ると、胸の中に眠っていたロマンが呼び覚まされる。言い換えれば、オフロード車に求められるのは頑丈さと耐久性だ。そんなオフロード車のサスペンションに腐食問題が発生したとなれば、誰が信じるだろうか。
問題の主役はフォード・ブロンコだ。ブロンコはフォードへの信頼と独特のオフロード性能で多くのファンを獲得してきた。そのブロンコがサスペンションに欠陥が見つかり、15万台規模でリコールを行うことになった。この事態の詳細を見ていこう。


ブロンコのサスペンション欠陥
深刻な場合は破損の恐れも
この欠陥はアメリカで発見された。サスペンション、特にリアショックアブソーバーに関する問題だ。フォードによると、リアショックアブソーバーの外部タンク、取り付けフランジ、ダンパーボディ間の部分が経年劣化により腐食する恐れがあるという。腐食が進行すると、リアショックアブソーバーの一部が破損する可能性がある。
フォードはこの欠陥による事故や負傷の報告は現時点ではないとしている。ただし、12月11日時点で551件の保証請求があったことを明らかにした。また、後輪付近で揺れや異音、液漏れを感じた場合はすぐにディーラーで点検するよう呼びかけている。


対象車種の詳細情報
解決策は依然「調査中」
このサスペンションの欠陥は全てのブロンコに該当するわけではない。2020年9月23日から2024年7月23日までに製造された2021年モデルのブロンコが対象だ。さらに、バッドランドトリムまたはサスカッチパックを装備した車両のみが該当する。フォードは合計14万9,449台のブロンコがリコール対象となると発表した。
しかし、サスペンション腐食の原因は未だ特定されていない。フォード側は調査が続いていることを明らかにし、具体的な解決策は示されていない。ただし、解決策が決まり次第、所有者に連絡するとしている。


ネットユーザーの懸念混じりの反応
フォードの信頼回復は可能か
ブロンコはフォードの代表的なオフロード車で、その頑丈さと信頼性が最大の魅力だった。しかし、今回のサスペンション腐食問題は単なる部品の欠陥を超え、車両の耐久性そのものに疑問を投げかける重大な事態になっている。最悪の場合、運転者だけでなく、他の道路利用者にも危険を及ぼす可能性がある。
ネットユーザーからは「サスペンションが腐食するなら、どうやって安心して乗れるのか」「フォードはベンチャー企業ではないのに、頻繁にリコールが発表されるのはおかしい」といった不満の声が上がっている。フォードはこのリコール問題を乗り越え、消費者の信頼を取り戻すことができるのだろうか。今後の対応とブランドイメージ回復戦略が注目される。