シートを温かくするシートヒーター機能
過熱で火傷まで被った?
集団訴訟に直面しているマツダ
数多くの自動車オプション仕様の中で必須とされるものが一つある。それは、シートヒーターとヒーティングステアリングホイールだ。常に暑い気候の国では不要なオプションだとされ、冬にはヒーターで十分だという意見もある。確かに、シートとステアリングホイールが身体を温める心地よさはヒーターとは異なる。
しかし、マツダの一部車両に搭載されているシートヒーターに欠陥が見つかり、話題となっている。寒い天候で全く動作しなかったならばむしろ幸いだが、搭乗者が怪我をするほど温度が急上昇したとの報告がある。深刻な問題であるため、アメリカではこの問題で被害を受けた消費者が集団訴訟に踏み切っている。
欠陥が見つかったモデルは「マツダ6」
「欠陥を認識しながらも無視した」
アメリカの自動車専門メディアCarBuzzによると、2018年型マツダ6の車主たちがマツダを相手に集団訴訟を起こした。原告の一人であるクリスティン・ディバド(Kristine Dyvad)さんは、「マツダ車に装備されているシートヒーターの欠陥により深刻な火傷と傷跡を負った」と述べ、9月3日にサンフランシスコ郡高等裁判所に訴状を提出した。
訴状によれば、マツダは以前から不特定のモデルに対するシートヒーターの欠陥に関する苦情を受けていた。2018年型マツダ6に関連する苦情は37件あり、リコールは二回行われたが、その中でヒーティング機能に関連する問題は一件もなかった。集団訴訟を起こした消費者たちは、マツダがこの問題を認識していたにもかかわらず、適切な措置を取らなかったと主張している。
「知っていたら別の車を買っただろう」
複数の容疑が追加適用されている
マツダは安全関連の問題を認識しながら、同オプション仕様を宣伝したことから詐欺容疑も受けている。クリスティン・ディバドさんは「シートに欠陥があることを知っていたらマツダ6を購入しなかったか、より少ない費用を支払っていただろう」と強調した。これ以外にも、マツダは警告不履行、製品欠陥に対する責任、保証違反、不公正競争防止法違反などの容疑で起訴されている。
今回の集団訴訟は、アメリカ全土に事務所を持つ損害専門ローファーム「シングルトンシュライバー(Singleton Schreiber)」が担当している。同ローファームは今回の訴訟について、「マツダが責任を持って行動せず、安全問題を解決できなかった」と述べ、「これは車両の安全性を低下させ、明記された金額よりも価値を下げる結果を招いた」と強調した。
機会費用の損失補償も要求した
現代車、テスラも訴訟進行中
訴訟を提起した消費者たちは、シートヒーターの欠陥による怪我や精神的な被害、医療費、経済活動能力の低下などの補償を求めている。さらに、将来に経験する可能性があった生活の喜びが火傷によって失われたとの主張を前面に出し、追加的な損害賠償も要求している。
一方、マツダをはじめとする自動車メーカーのほとんどはアメリカ市場で集団訴訟を一度は経験している。現代自動車は2023年9月にウィスコンシン州の車両オーナー団体から集団訴訟を提起された。オイルポンプのコントローラーが車両出荷後2年以内に故障したことが原因だ。フォードはハイブリッドシステムの火災欠陥、テスラは個人情報保護問題で集団訴訟が進行中である。