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日産リーフの13年前に存在した幻のEV! ホンダが仕掛けた「EVプラス」の知られざる実力とは

Oda Keisuke Editor アクセス  

電動化は避けて通れない道

再評価されるホンダの先駆的EV

日産リーフよりはるか以前から挑戦

引用:Wikipedia

電気自動車(EV)時代の到来が現実味を帯びてきた。EUの急進的な電動化政策による副作用は指摘されているものの、EVの普及拡大という大きな流れは変わらないとみられている。ただし、トヨタやホンダなど日本メーカーが、すでに優位性を確立した中国のEV業界に追いつくのは容易ではない状況だ。

そんな中、ホンダが手掛けた黎明期のEVが注目を集めている。量産型EVの先駆けとして知られる日産リーフだが、実はその13年も前に発売されたホンダのEVが存在した。「EVプラス」である。現在の基準からすれば控えめな性能ながら、当時としては画期的な一台として高い評価を得ていた。

引用:Wikipedia
引用:e-Autokult

9年にわたる開発の軌跡

米国の厳格な安全基準をクリア

ホンダのEVプラスは、カリフォルニア州大気資源局(CARB)のZEV規制に対応するため開発されたEVだ。発売の9年前となる1988年に開発をスタート。1993年の東京モーターショーで公開されたEVXコンセプトカーとCUV-4試作車の技術を量産化し、1995年に最初の試作車が完成した。

1997年の発売時、EVプラスは米国市場に投入された最初の現代的EVとなった。全長4,045mm、全幅1,750mm、全高1,630mm、ホイールベース2,530mmとコンパクトながら、EV専用プラットフォームで開発されたことで、米国の厳しい安全基準を満たすことに成功した。

引用:Wikipedia
引用:ホンダ

ニッケル水素電池を搭載

1回の充電で220kmの航続距離を実現

EVプラスの特徴の一つが搭載バッテリーにある。同時期にGMが発表したEV1が当初鉛蓄電池を採用していたのに対し、EVプラスはより先進的なニッケル水素電池を搭載。電気モーターもホンダが独自開発した点で注目された。ブラシレスDCモーターに水冷式冷却システムを採用し、平均効率90%、最高効率96%という高効率を実現している。

電気モーターの最高出力は65馬力、最大トルクは28kgf・m。1速のみの構成で1.6トンの車体重量に対して物足りないと思われがちだが、0-50km/h加速4.9秒、最高速度130km/hと、実用上十分な走行性能を確保。バッテリー充電には6〜8時間を要したものの、1回の充電で220kmの走行が可能だった。

引用:e-Autokult
引用:Total EV

わずか300台の限定生産

現存は2台のみに

EVプラスの販売は主に米国で展開。生産台数は300台に限定され、カリフォルニア州とニューヨーク州でリース方式で提供された。国内市場やスイスでも一部が販売されたが、5年後のリース契約終了時に全車両が回収。そのうち2台のみがホンダ本社で保管され、残りは全て廃車処分されたという。

現在の基準からすれば性能面で物足りなさは否めない。しかし、エアコン、ヒーター、パワーブレーキ、パワーウィンドウを標準装備していた点は、当時としては画期的だった。これらの装備は、当時のEVでは電力消費の観点から敬遠されていたためだ。なお、ホンダはEVプラスの精神を受け継ぐEV「Honda e」を今年初めまで販売。後継モデルの計画は明らかにされていないが、同社が新たなEVを投入するかどうか、業界の注目を集めている。

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Oda Keisuke Editor
fv_editor002@autopostjp.com

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