SU7 ウルトラのエンブレム盗難事件
異常な人気から標的に
1個あたり約3万円で取引される

かつて、高級車のスタンディングエンブレムは象徴的な存在であり、その盗難事件が多発していた。特に、エンブレムを所有することで名門大学に合格できるという迷信が影響していたとも言われる。また、ロールス・ロイスなどではエンブレム自体が高額で取引されることもあった。しかし、最近、中国でシャオミのロゴが盗まれるというニュースが伝えられ、その理由について疑問の声が上がっている。
シャオミが中国内市場に投入した「シャオミ SU7 ウルトラ」モデルは驚異的な人気を集めている。需要が供給を上回り、納車が遅れるだけでなく、中古車市場ではプレミアム価格で取引されるほどだ。しかし、ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツのような老舗ブランドではなく、なぜシャオミのエンブレムが盗まれるのか?その理由を詳しく見ていこう。


高額で取引されるエンブレム
驚異的な人気が背景に
シャオミのエンブレムが盗難の対象となった理由は迷信とは関係ない。実際のところ、ロールス・ロイスに似た背景がある。シャオミのエンブレムが中古市場で高額で取引されているためだ。一見すると、シャオミのエンブレムに施された金メッキを狙った犯罪と思われるかもしれない。しかし、実際にはSU7 ウルトラのエンブレムには約0.3グラムの純金が含まれており、現地価格で約5万ウォン(約5,081円)相当の価値があることがわかっている。
しかし、エンブレムの取引価格がこれだけでは説明できない。現在、中国の中古市場でSU7 ウルトラのエンブレムは約30万ウォン(約3万円)で取引されており、その価値が急上昇している。なぜこれほどまでに高額になるのか、その理由はSU7 ウルトラの異常な人気にある。


驚異的なパフォーマンス
比較的手頃な価格
SU7ウルトラの人気の秘密はその驚異的なパフォーマンスにある。SU7ウルトラはシャオミがポルシェのタイカン ターボGTをベンチマークに開発した車両で、0-100km/hの加速は1.98秒、最高速度は時速350kmに達する。また、最大出力は1,526馬力という驚異的なスペックを誇っている。
このような性能にもかかわらず、価格は約1億630万ウォン(約1,081万円)と比較的手頃で、さらに中国企業の製品という点もあり、その人気はますます加速している。SU7ウルトラのエンブレム盗難事件は中国内市場の潜在力を再認識させる出来事となっている。


事態長期化の場合
シャオミ側の対策が必要
SU7ウルトラに関連した不祥事はエンブレム盗難だけではない。サーキットでSU7ウルトラが壁に衝突し、車両が半壊する事故も発生した。当時、車両の速度は時速120kmだったと伝えられている。シャオミはこの事故を受けてSU7ウルトラの運転前に特別な運転教育を受けるよう呼びかけている。
今回のエンブレム盗難事件を受けて、シャオミは「有名税」を払わされている形となった。もし事態が長期化すれば、盗難防止策を講じる必要があるだろう。人気車を所有しているというだけで盗難の被害を受ける車主たちに同情しつつ、この記事を締めくくりたい。